東京ディズニーランド開園前ポスター&マークトゥエイン号ポスター解説|販売アイテム紹介

ディズニーランドにおける「ポスター」の役割

ディズニーランドのポスターは、単なる宣伝物というよりパーク体験そのものを設計するための装置 です。ゲストが「今日はどこへ行き、何を体験するのか」を感じさせる。文章より先に、気分と行き先を決めさせてしまう――そんな役割を担ってきました。 

ポスターは「現実から物語へ」切り替えるスイッチ

ディズニーランド入口のポスターには、日常から別世界へ気持ちを切り替える導入としての役割が感じられます。
ワクワクする心の状態を作る存在ですね。

また、アトラクションの出口付近に別のアトラクションのポスターを設置することで、「ここを見たら、次はあっちへ行きたくなる」というゲストの動線を設計する狙いもあるそうです。

“高コスト”こそが価値の証明:イマジニアの本気で作られていた

現在はデジタル技術で制作されるディズニーパークのポスターですが、2000年以前はシルクスクリーン印刷(メッシュ状のスクリーンを使ってインクを押し出し、1色ずつ紙に刷り重ねる印刷方法)が主流でした。

シルクスクリーン印刷では数十種類の色を使用し膨大な手間暇を掛けて1枚のポスターを制作していたため、非常に大きなコストが発生。

1990年代に入ると、シルクスクリーン印刷によるポスター制作は、材料費や工程面の負担がより大きくなり、制作コストが一段と重くなっていきました。多色刷りを重ねて仕上げるほど手間が増えるシルクスクリーンでは、クオリティを維持するほど採算が厳しくなり、現場では制作規模の縮小も現実的な選択肢として検討されるようになります。
しかしその一方で、同時期にデジタル技術の導入が進み、版下作成や色管理などの工程が効率化。結果として、品質を落とさずに制作負担を抑えられる見通しが立ち、ポスター制作は従来どおり継続できる体制へとつながっていきました。

デジタル化で守られた品質とシルクスクリーン時代の価値

デジタル化の導入によって、制作工程は効率化されても、ポスターそのものの“見せ方”や完成度が大きく変わることはなく、アトラクションポスターの制作は引き続き継続されていきます。むしろ、裏側の負担を抑えられたことで、これまで培ってきた表現のクオリティを維持しやすくなった面もありました。

一方で、従来のシルクスクリーン印刷で刷られたポスターは、色数ごとに版を用意し、1色ずつ丁寧に刷り重ねるという手間がかかる分、発色や質感に独特の力があります。量産物でありながら、どこか“作品”としての佇まいを持っているのは、その工程が生む説得力ゆえでしょう。
だからこそ、シルクスクリーン時代のポスターは、当時のパーク表現を支えた高品質な制作物として、いま改めてコレクターズアイテムとしての価値が見直されつつあります。


1982年「東京ディズニーランド 開園前ポスター」

――まだ完成していないTDLを、一足早く完成させた一枚

©Disney

東京ディズニーランドがグランドオープンするのは1983年4月15日
このポスターは、その前年となる1982年に制作された、いわば“開園前告知”のための貴重な一枚です。

1982年当時、東京ディズニーランドはまだ建設途中で完成していません。そこでビジュアルとして採用されたのが、同じシンデレラ城を持つウォルト・ディズニー・ワールド(WDW)マジックキングダムの城の写真
写真自体はアメリカの風景でありながら、ポスターが約束しているのは「まもなく日本に誕生する新しいディズニーランド」です。

この“未来を先に見せる”手法は、開園前ならではの演出でもあります。
実物がまだ存在しないからこそ、象徴(シンデレラ城)を掲げて「ここに行きたい」という期待を形にする。東京ディズニーランドの始まりを語っています。


1983年マークトゥエイン号(アメリカ河)アトラクションポスター

――マーク・デイビスの“設計図”が、そのままポスターになった一枚

©Disney

ウェスタンランドの風景を語るうえで欠かせない存在、マークトゥエイン号
このアトラクションポスターは、船に乗船してアメリカ河(Rivers of America)で過ごす時間を、1枚で先取りさせるためのビジュアルです。

アメリカ河やトムソーヤ島周辺は、ディズニーレジェンドの マーク・デイビス(Mark Davis)がコンセプト画を制作。
彼が描いたコンセプトアートは、建物や乗り物の形だけでなく、そこで感じるはずの空気――川辺の景色、木造の桟橋、汽船の存在感、西部開拓時代のロマン――まで含めて「こうあるべき」を定義していきます。
このポスターは、その“設計思想”をゲスト側へ届ける、いわば 体験の予告編 です。


この記事でご紹介した2点のポスターは、当店にて販売しています。
開園前の空気を残す「1982年 開園前ポスター」と、世界観が凝縮された「マークトゥエイン号 アトラクションポスター」。下記リンクよりご覧ください。

https://store.pixie-dust.jp/product-category/collectible

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