はじめに|ディズニーダラーにも Key Date は存在する
レアコインの世界では、発行数や現存数が少なく、コレクションを完成させる上で避けて通れない希少コインをKey Date(キーデイト)と呼び、別格の評価を受けます。
これはディズニーダラーにも当てはまるのですが、先日フロリダで開催されたオークションは、そのKey Dateが「価格」としてはっきり可視化された回でした。
ディズニーダラーにおける Key Date とは?
ディズニーダラーのKey Dateは「Date = 発行年」だけで決まるものではありません。評価の要素になるのは、
希少な「発行年 × シリーズ(プレフィックス)」の組み合わせです。
ディズニーダラーにおける「ミントマーク」に相当するもの
コインでは刻印されている鋳造所を表すミントマーク(D = デンバー、S = サンフランシスコなど)が希少性に影響を与えますが、ディズニーダラーの場合、これに相当するのがプレフィックス(通し番号先頭のアルファベット)です。
主なプレフィックス
- A:アナハイム ディズニーランド向け
- D:ウォルト・ディズニー・ワールド向け
- T:ディズニーストアなど向け
同じ年、同じ額面であっても、特定のプレフィックスが極端に少ないケースがあり、Key Dateとして扱われます。
オークションに集まったKey Date級ディズニーダラー
2026年1月8日〜11日、アメリカ・フロリダ州で FUN(Florida United Numismatists)Show が開催されました。
アメリカでは年に数回、各地で大規模な貨幣コンベンションが行われ、今回のFUN Showはその中でも毎年1月に開催される最大級のイベントのひとつです。
この時期に合わせて実施された Heritage Auctions の紙幣オークションには、ディズニーダラーの中でも滅多に市場に出ない希少銘柄が揃いました。
今回の主な落札結果(Buyers Premium含まず)
| Series | Denom | Catalog | Grade | Price | Lot |
|---|---|---|---|---|---|
| 1995 D | $10 | DIS40 | 66 | $4,000 | 20211 |
| 1998 D | $10 | DIS58 | 67 | $3,800 | 20215 |
| 1998 D | $5 | DIS57 | 66 | $1,800 | 20214 |
※Lot番号をクリックするとヘリテージオークションのサイトに移動します
Buyers Premiumについて
オークションでは、落札額とは別に落札者がオークションハウスへ支払う手数料(Buyer’s Premium)が発生します。
今回のオークションではこの手数料が 22% に設定されており、取り上げた10ドル紙幣2点はいずれもBP込みで 70万円台、5ドル紙幣は 約35万円 となります。
PMG鑑定枚数から見る「希少性の裏付け」
ディズニーダラーの発行枚数は公式に発表されていないので、Key Dateかどうかを判断する際、現在のPMG鑑定枚数(Population) が非常に重要な指標になります。
今回の3枚を、この観点から整理してみましょう。
※画像はPMG Population Reportより
https://www.pmgnotes.com/population-report/united-states/disney-dollars/
1995年 10ドルD PMG66(DIS40)

- PMG総鑑定枚数:12枚
- 66:3枚
- 67:2枚(TOP POP※)
※これより上のグレードが存在しない
総鑑定12枚という数字は、ディズニーダラー全体を見渡しても最上位クラスの希少性です。
66は実質的に上位グループに属しており、今回の $4,000 という結果は、Key Dateらしい価格と言えます。
1998年 10ドルD(DIS58)

- PMG総鑑定枚数:14枚
- 66:1枚
- 67:2枚
- 68:1枚(TOP POP)
上位グレードの分布を見ると、良い状態の個体がほとんど存在しないことが一目で分かります。
今回落札された 67 は、事実上トップクラスに並ぶグレード。$3,800という価格は、1998年$10がKey Dateとして扱われ始めた証拠と捉えてよいでしょう。
過去実績との比較
昨年秋に行われたオークションで、DIS58の66が$1,850(BP含まず)で落札された実績があります。
今回のオークションでは1ランク上の67 が $3,800(BP含まず) で評価されており、上位グレードに対する評価が一段引き上げられたことが分かります。
1998年 5ドルD(DIS57)

- PMG総鑑定枚数:28枚
- 66:7枚
- 67:1枚(TOP POP)
上記2枚に比べれば枚数は多いものの、それでも一般的なディズニーダラーと比べると十分に少数派です。
66は上位グループに位置し、今回の $1,800 という結果は、評価レンジが一段上に移行したことを示しています。
過去実績との比較
このDIS57については、2024年に同一グレードが $1,350 で落札された実績があり、今回の $1,800 という結果は、急騰ではないものの確実に価格帯を一段切り上げた内容と言えるでしょう。
PMGの鑑定データと価格を合わせて見ると、今回の結果は次のように整理できます。
- DIS40(1995 D 10ドル)
→ 典型的なKey Date(枚数・価格ともに別格) - DIS58(1998 D 10ドル)
→ 上位グレードの希少性が価格に反映され始めたKey Date級 - DIS57(1998 D 5ドル)
→ 市場の安定感を示す中核銘柄
これはレアコイン市場でよく見られる、
「Key Dateが上限を引き上げ、周辺銘柄がそれを支える」
という構図と非常によく似ています。
また昨年秋のオークションでも、Key Date級の3点セットが$13,200(BP含む、当時のレートで約198万円)で落札されています。今回の結果と合わせて見ると、希少性の高いシリーズへの資金流入が一時的なものではなく、継続的なトレンドとして定着しつつあることが分かります。
ディズニーダラーの最新オークション結果【2025年版】高額落札事例を紹介
まとめ|鑑定枚数が物語る今回のオークション
今回のヘリテージ・オークションは、
- ディズニーダラーにもKey Dateの概念が有効であること
- PMG鑑定枚数に基づく希少性が、価格に反映され始めていること
- 上位・中核銘柄がバランスよく評価されたこと
これらを同時に示した、非常にポジティブな内容でした。
ディズニーダラーは、ディズニーパークの思い出と貨幣コレクションが交差する分野です。
その中で、希少性がデータとともに語られる段階に入ってきた──今回の結果は、そうした転換点を感じさせるものだったと言えるでしょう。
今後のオークションで、どの「Key Date」が新たな評価を受けるのか。引き続き市場の動きを追っていきます。